母の日の由来?別名?

母の日の由来?別名?

毎年5月の第2日曜日にやってくる「母の日」。カーネーションを贈ったり、感謝のメッセージを伝えたりと、多くの人にとって馴染み深い日ですが、その起源や由来、日本に定着した経緯をご存知でしょうか?また、「母の日」という名称以外に、何か特別な呼び方、つまり「別名」は存在するのでしょうか?

この記事では、母の日のルーツをアメリカの歴史から紐解き、日本でどのように受け入れられ、国民的な行事として定着していったのかを詳しく解説します。さらに、気になる「別名」の存在や、現代における人気のプレゼント、SNSでの祝い方など、母の日にまつわる様々な情報をお届けします。この記事を読めば、今年の母の日が、より一層感慨深いものになるかもしれません。

母の日の起源を探る【感謝の気持ちはどこから生まれた?】

アメリカでの誕生とアンナ・ジャービスの想い

現在の「母の日」の直接的な起源は、20世紀初頭のアメリカにあります。その中心人物となったのが、アンナ・ジャービスという女性です。

アンナの母、アン・ジャービスは、南北戦争時代にウェストバージニア州で、敵味方関係なく負傷兵のケアを行う「マザーズデー・ワーク・クラブ」を結成し、地域の衛生環境改善や平和活動に尽力した人物でした。アンナは、献身的な活動を続けた母を深く尊敬していました。

1905年に母アンが亡くなると、アンナは母のような全ての母親への感謝と追悼の意を表す日を作りたいと強く願うようになります。彼女は、「生きている間に母親に感謝する機会を持つべきだ」と考え、精力的に活動を開始しました。

アンナの熱心な働きかけが実を結び、1908年5月10日、母アンが日曜学校の教師を務めていたウェストバージニア州グラフトンの教会で、最初の「母の日」の礼拝が公式に行われました。この時、アンナは母が好きだった白いカーネーションを参加者に配りました。白いカーネーションは、清らかさ、純粋さ、そして母性愛の象徴とされ、「亡き母を偲ぶ」花として定着しました。後に、健在の母親には赤いカーネーションを贈る習慣が広まります。

アンナの活動は多くの人々の共感を呼び、母の日を祝う運動はアメリカ全土に広がっていきました。そして、1914年、5月の第2日曜日を国民の祝日「母の日」と正式に制定しました。

しかし、皮肉なことに、母の日が国民的な行事として定着するにつれて、その商業化が進んでいきます。アンナが意図した「母親への純粋な感謝」という本来の精神が薄れ、花やギフトカード、菓子などの販売競争が過熱することに、アンナは深く心を痛めました。「母の日」の創設者である彼女自身が、後年、その商業主義に強く反対し、母の日の廃止運動まで起こしたことは、あまり知られていないかもしれません。

アンナ・ジャービスの個人的な想いから始まった母の日は、母親への感謝を表す美しい日として世界中に広まりましたが、その裏には創設者の苦悩の歴史もあったのです。

日本における母の日【いつ、どのように定着したのか?】

伝来から国民的行事へ

アメリカで生まれた母の日の習慣が日本に伝わったのは、明治時代の終わりから大正時代にかけてのことでした。当初は、キリスト教関係者や団体を通じて、主に教会などで紹介され、細々と祝われていました。例えば、青山学院の教授であった青山千代子(青山学院第7代院長・弘道の実母)などが、アメリカの宣教師を通じて母の日の習慣を知り、紹介したと言われています。

日本で「母の日」が広く認知されるきっかけとなったのは、昭和時代に入ってからです。1931年(昭和6年)、当時の皇后陛下であった香淳皇后(昭和天皇の皇后)の誕生日である3月6日を「地久節」とし、この日に「母の日」の行事を行うことが奨励されました。大日本連合婦人会などが中心となり、全国的な普及活動が行われましたが、これは現在のように5月の第2日曜日ではありませんでした。

そして、1949年(昭和24年)頃から、アメリカに倣って5月の第2日曜日を「母の日」とする習慣が定着していきました。

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「母の日」以外の呼び名は?【別名の背景】

日本における「母の日」と別名の考え方

日本では、5月の第2日曜日は一般的に「母の日」と呼ばれており、広く定着しています。では、「母の日」に何か特別な「別名」は存在するのでしょうか?

結論から言うと、日本において「母の日」を指す、広く認知された「別名」というものは、特に存在しないようです。

理由としては、「母の日」という名称自体が非常に直接的で分かりやすく、その目的(母親に感謝する日)を明確に表しているため、他の呼び方をする必要性が低いと考えられます。また、戦後にアメリカの習慣が導入され、その名称とともに定着した経緯も影響しているでしょう。

もちろん、個人的なメッセージカードや手紙の中で、「お母さん、いつもありがとうの日」や「ママに感謝する日」といった表現を使うことはありますが、これらは正式な「別名」とは異なります。

世界に目を向けると、例えばイギリスには「マザリング・サンデー(Mothering Sunday)」という、母の日に似た習慣があります。これは、キリスト教の四旬節(レント)の第4日曜日に行われるもので、その起源は16世紀頃に遡ると言われています。元々は、奉公に出ていた子供たちが、この日に教会(Mother Church)に礼拝に行くことを許され、その際に母親への贈り物として花やお菓子を持ち帰ったことから始まったとされています。日付も起源もアメリカの「母の日」とは異なりますが、母親に感謝するという点では共通しています。

しかし、この「マザリング・サンデー」も、日本の「母の日」の別名ではありません。

したがって、日本においては、「母の日」という名称が最も一般的であり、特別な「別名」は存在しないと考えるのが自然です。大切なのは名称そのものよりも、その日に込められた「母親への感謝の気持ち」をどのように表現するか、ということでしょう。

母の日に贈る感謝の形【人気のプレゼント】

定番から最新トレンドまで

母の日に感謝の気持ちを伝える方法として、プレゼント選びは多くの人が心を配るポイントです。毎年様々なギフトが登場しますが、人気のプレゼントにはどのようなものがあるのでしょうか。

定番ギフト

・カーネーション(花束・アレンジメント)

やはり母の日の象徴といえばカーネーション。赤やピンクが定番ですが、近年は色や品種のバリエーションが豊富になっています。花束だけでなく、長く楽しめる鉢植えや、他の花と組み合わせた華やかなアレンジメントも人気です。

・スイーツ・お菓子

ケーキ、和菓子、チョコレート、焼き菓子など、甘いものが好きなお母さんには定番のギフトです。有名パティスリーの限定スイーツや、老舗和菓子店の詰め合わせ、メッセージ入りのクッキーなど、特別感のあるものが選ばれています。

・ファッション小物・アクセサリー

スカーフ、ハンカチ、帽子、日傘、エプロン、アクセサリー(ネックレス、ブローチなど)といった実用的でおしゃれなアイテムも根強い人気があります。お母さんの好みやライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。

近年のトレンド・人気ギフト

・グルメギフト

少し贅沢な食材やお取り寄せグルメも人気が高まっています。高級肉、海産物、フルーツ、調味料セット、ご当地グルメなど、普段はなかなか味わえない特別な食体験をプレゼントするのも喜ばれます。

・健康・美容グッズ

いつまでも元気でいてほしい、美しくあってほしいという願いを込めて、マッサージ機器、安眠グッズ、スキンケア用品、コスメ、アロマグッズなどを贈る人も増えています。

・体験ギフト

モノではなく、特別な「時間」をプレゼントする体験ギフトも注目されています。レストランでの食事、温泉旅行、エステやスパのチケット、観劇やコンサートのチケットなど、一緒に過ごす時間やリフレッシュできる機会を贈るのも素敵なアイデアです。

・名入れ・オリジナルギフト

写真入りのマグカップやクッション、名前入りのタンブラーや箸など、世界に一つだけのオリジナルギフトは、特別感を演出し、記念に残るプレゼントとして人気です。

・実用的な家電

コーヒーメーカー、電気ケトル、ハンドブレンダー、ロボット掃除機など、家事を楽にしてくれる便利な家電も、実用性を重視するお母さんには喜ばれる選択肢です。

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プレゼント選びで最も大切なのは、予算や流行だけでなく、「お母さんが本当に喜んでくれるものは何か」を考えることです。日頃の感謝の気持ちを込めて、心を込めて選んだプレゼントは、きっとお母さんの心に響くはずです!

SNS時代の母の日【みんなはどう祝ってる?】

X(Twitter)Instagramから見える感謝の風景

現代において、SNSは母の日を祝い、感謝の気持ちを表現する場としても広く活用されています。X(旧Twitter)やInstagramなどのプラットフォームでは、母の日が近づくと、様々な投稿が見られるようになります。

SNSは、個人的な感謝の表現の場であると同時に、他の人がどのようにお祝いしているかを知り、アイデアを得る場にもなっています。また、遠く離れて暮らす家族が、SNSを通じてお互いの様子を知り、繋がるきっかけにもなります。

ただし、SNSでの祝い方はあくまで一つの形です。直接会って感謝を伝えたり、電話で話したり、手紙を書いたりと、自分らしい方法で感謝の気持ちを伝えることが最も大切です。SNSは、その気持ちを共有したり、表現したりするための一つのツールとして、現代の母の日を彩っています。

まとめ

この記事では、「母の日」の起源から日本での定着、別名の有無、人気のプレゼント、そしてSNSでの現代的な祝い方まで、幅広く掘り下げてきました。

母の日は、世界中で形を変えながらも、「母親への感謝」という普遍的なテーマを持つ大切な日です。その由来や背景を知ることで、毎年迎えるこの日が、より一層意味深いものになるのではないでしょうか。今年の母の日には、ぜひあなたらしい方法で、心からの感謝の気持ちを伝えてみてください!

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【引用元】

この記事を作成するにあたり、情報の正確性を期すため、以下のような情報源を参考にしました。

・母の日全般・起源について

母の日 - Wikipedia

Anna Jarvis - Wikipedia

 

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